浄土真宗のお経

浄土真宗のお経は浄土三部経である。よくお勤めされる「讃仏偈」「重誓偈」は、浄土三部経のうちの一つ「仏説無量寿経」の一部である。また、親鸞聖人の「正信偈」もよくお勤めされる。

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般若心経はあまりお勤めしない。しかしこれは般若心経の否定ではなく、お勤めが禁じられているわけでもない。般若心経は、よく仏の教えに親しみ、智慧を磨いた高位の菩薩に向けて説かれた教えであり、智慧も慈悲も不足する凡夫がおいそれと理解できるものではない。煩悩を捨てることのできない凡夫のために説かれたのが浄土三部経であるため、これをお勤めする。

讃仏偈重誓偈も法蔵菩薩の作られたものであるが、この菩薩とは従果降因の菩薩(仏が過去に降りて菩薩の姿をとったもの)であり、阿弥陀如来そのものである。讃仏偈、四十八願、重誓偈と繰り返し誓われているのは、私たち凡夫の救済に他ならない。

「正信偈」は、仏説無量寿経に基づいて弥陀成仏の因果、衆生往生の因果を述べ、本願念仏が他力の大信心であることを明かす。そして七高僧の発揮を讃嘆し、彼らの説き明かす如来の大悲に帰依することを勧める。まさに浄土真宗の真髄を述べた偈である。

生駄 真

2012/10/26 掲載